環境問題を取り上げております。
みろく寺の森に棲んでいる

 過日、JRのとある駅をおり、駅のコンビニエンスストアーで買い物をした。いつものように買い物を済ませレジで清算を済ませ時、店員が、「袋は必要ですか?」との問いに、私が「いいえ」と答えると、尽かさず「ご協力ありがとうございます」の一言がかえってきて、私は、ハッとしたと同時にとても清々しい気分になった。環境保全が喧伝される昨今、「お買い物袋はお持ちですか」と問いただす店員はよく見かけるが、その後に一言付け加えられたら、なんだか、自分もゴミ問題の解消に一役かっているのだという気分にさせられた。
 当たり前のことだが、その一言がとても印象に残った。コンビニでお弁当を買うと「箸はいらないよ」と声をかける人もいます。そうした身近な取り組みを日頃から実践することが大切なのです。車の窓から空き缶を捨てる人もいます。でも片方では、そのゴミを拾う人も見かけます。最近、路上でくわえタバコをする人をほとんど見かけなくなりました。以前よりもマナーが向上したのだと確信する今日この頃です。
<マナー>



 山登りをする人が増えている。雄大な大自然を求めてやってくるのだがろうがここで一つ大きな問題が起きている。それは高山植物でないヨモギが生えて生態系を狂わせているということだ。その原因は山小屋に泊まった登山者の排泄物なのだ。山小屋のトイレは山岳地ゆえに水洗トイレはほとんどなく排泄物の処理は近くに埋めている。その埋めた場所が富栄養化となり、元来、生えるはずのないヨモギが生えているという。あわてた関係者は、急遽、水洗トイレの導入を決めたが、莫大な金額がかかる。山を愛する人々の汚物によって山の生態系が変わるという残念な結果を招いた。
 また、高山植物は、後絶たない盗掘によって持ち去られ絶滅の危機にあるものも多い。
 人は便利さを求めて突き進んできたが、それは同時に、多くの代償を払って来たのだ。そのツケは必ず人類に降りかかるのだから、私たちのなにげない行動が、知らず知らずのうちに何かを傷つけてたり、失ったりしていることを知らなければなりなせん。
<高山が富栄養化>



 今、地球が悲鳴を上げている、これは我々人類が豊かさを求めた結果である。
 地球環境の汚染は、ゴミ問題、森林伐採、大気汚染、オゾン層破壊、酸性雨などがあり、例をあげればきりがない、しかしその反面、様々な環境保全の取り組みも成されていることも事実である。地球環境は本当に改善されているのだろうか?
 沖縄県国頭村は人口五千人。ヤンバルという豊かな熱帯性雨林の森が広がっている。しかし、この森にも環境破壊の波が押し寄せている。村民の出すゴミがこの森の一角に捨てられ、それを餌場として野良猫が住み着き繁殖し、沖縄固有の動物を絶滅させる恐れがあるという。村民は生態系の破壊防止と、最新のゴミ処理システムの導入を検討している。
 しかし、それが完成すればゴミをドンドン出して良いというものではない。まず、私たちの家庭のゴミをを半分にすることが大切である。そうすることによって防ぐことのできることもあるのではないだろうか。
<ヤンバルの森>



 南米のアマゾンや、東南アジアの森林がものすごい勢いで消えている。人類はいったい、いつ頃から森林を伐採しているのだろうか?
 叙事詩『ギルガメッシュ』には、五千年前の英雄ギルガメッシュの伝説を記している。その一節には、ウルクの王ギルガメッシュが青銅の斧を持ち、レバノン杉の森に、森の神フンババを倒しに行くのだが、戦いの末、ギルガメッシュは森の神を倒し、木を切り出した。これが世界最古の森林伐採の記述とされている。
 レバノンには樹齢六千五百年のレバノン杉がある。かつては、レバノンの大地を覆い尽くしていたのだ。その森は、キリスト教の教会の壁画にも描かれている。六千五百年の時を経て、森は減少し、現在は三カ所、五百本を遺すのみとなっている。
 古代エジプトのファラオは、その権力の元、ピラミットの基礎にレバノン杉を使った。有名なクフ王の棺もレバノン杉でできている。
 また、古代ローマ帝国も神殿の屋根をレバノン杉で作っていた。レバノンでは、この森を、アルゼラブ(聖なる森)と呼び、今もなお、守り続けている。
 今、六千五百歳の生き証人は酸性雨によって傷ついている。人類は人類よりはるか昔から生きているものを直接的、あるいは間接的に絶滅に追いやっている。
<レバノン杉>



 現在、世界中には沢山の自動車が走っている。それらの車は、当然燃料を消費し、排煙をあげ、地球環境を悪化させている。
 ヨーロッパの都市では、車の乗り入れを禁止し、路面電車を利用するパークアンドライド(P&R)というシステムを取り入れている街も少なくない。我が国でも、各地域でP&Rに取り組んでいる所がある。例えば大阪では、昼間比較的利用者が少ない駅前スーパーの駐車場をうまく利用し、都心部に車の乗り入れを減らす方法を模索している。
 しかし、従来の路面電車が、自動車交通との路面の供用によりサービスが悪化したことから、その姿を消した日本においては、路線バスを利用することが不可欠である。
 この度、京都市内を巡回し、何処まで載っても百円のバスはすごい。採算が取れるかどうかは別として、会社のリスクは如何ほどものかわからないが、環境保全はリスクを背負ってでもやらなければならないところまで来ているのだから。後は私たち一人ひとりの自覚と判断に懸かっていると思いませんか?
<パーク&ライド>



ラクダの世界一の産出国は意外や意外、オーストラリアです。
 今からおよそ二百年前、オーストラリア大陸に入植したヨーロッパ人が多くの動物を持ち込んだ。ブタやラクダ、馬、イヌ、ネコ。野生化した移入動物は、従来天敵を持たないオーストラリア固有種の生息地を荒らし続けた。特に野ウサギやオオヒキガエルは爆発的に生息域を広げ、固有種を絶滅の危機に追い込んでいます。また、ウサギの捕食動物としてキツネが移入されたが、キツネは固有種の小動物を餌としたため、新たな生態系の危機を招いた。また、農家では、ウサギが増えすぎていることから農地を荒らされ、駆除に支出を余儀なくされ問題となっている。一八五九年に狩りの標的としてわずか、十二匹が持ち込まれた野ウサギは、天敵がいない中、爆発的に増加し、生息範囲は毎年百キロの勢いで拡大。今や三億匹に達し、大陸を荒らし続けている。
 人間は自分たちの生活を脅かされて初めて、重い腰を上げる。動植物の絶滅は、近い将来、人間の絶滅を意味することを知らなければなりません。
<オーストラリア>



 これまで世界各地で建設された大規模ダムの多くは、もはや過去の遺物となっている。当初の予想以上に早いスピードで土砂が留まり、その機能を失っているからだ。しかし、日本のダム建設は、1995年の時点で、140個が建設中で、これは、世界でも中国、トルコに次ぐ数である。
 中国の黄河にある三門峡ダムは、建設して二年足らずで土砂に埋まってしまい、その後の大規模な改修工事の甲斐なく、ダム湖の容量は元の半分になった。これは、日本の最大級ダム40個を失った計算になる。インドでもヒマラヤに建設したダムが、二年もしない内に泥で埋まった。
 また、熱帯地帯のダムは雨季には雨が降り続くため放水しなけれなならず、乾季には雨が降らないので水を蓄えることができない。
 ダムは、水を供給するために必要とされてきたが、本当にそうだろうか?通常、森林地帯の保水能力はダムの二十倍といわれる。
 莫大な費用のかかるダム建設は自然破壊だけでなく採算が取れないことからアメリカでは、ダムの撤去を始めている。 
 <ダムはムダ?>



 忍びよる人口爆発、食糧難。地球温暖化に歯止めをかけるべく、砂漠を緑化する試みが世界規模で進められている。しかし、砂漠緑化には膨大な時間と費用がかかる。低コストで簡単に砂漠を緑化できたら…。
そんな夢をライフワークとして心血を注ぐ人物がいる。
 九州大学の農学部、原敏夫博士である。博士は、砂漠緑化の救世主を食卓にある納豆に求めた。納豆が地球を救というのだ。博士は納豆のネバネバに注目し、これを元に納豆樹脂を開発された。まだ、試作の段階だそうだが、実現すれは、スーパーのお惣菜トレイとして、食べられるプラスチック容器となるとか。
 そんな素晴らしい納豆樹脂の大きなの特徴は、驚くほどの吸水性である。わずか1グラムで五リットルの水を吸収する。さらに、自然に分解されるのである。つまり、ゴミにならないのである。その納豆樹脂で植物の種子を包み、飛行機で空中散布する。砂漠の僅かな朝露を利用し砂漠を緑化しようとするプロジェクトが実現に向け動き出している。
<納豆は地球を救う>



 子どもの頃、よく小川や田圃で遊んだ。今では上流にまで護岸工事が進み、川岸は、すっかりとコンクリートで固められ、田圃も随分と姿を消した。しかし、この変化は、情緒を失っただけでなく、多くの弊害をもたらした。 
 ここ三十年間に失われた水田の梅雨時の蓄水量は日本最大級ダム七つ分に相当する。上流まで都市化した地面には雨は染み込まず、水は急速に川へと流れこむ。近年の都市での洪水は、河川や下水に流れ込む雨が許容量を超えたのが原因だとさている。これまでの都市計画では、雨水は迅速に河に流すように考えられてきた。しかし、近年は総合治水といって、貯水池を設け、雨水をゆっくりと川へ流がす試みがなされている。例えば、駐車場を一段低く作ったり、テニスコートを低くしたりして、ひとたび大雨となっても十分に雨が蓄えられゆっくりと流れるようになっている。
 最近よく休耕田が目につく、遊んでいる土地だとばかり思っていたが、地球環境を守っているのだと実感する今日この頃である。
<田圃は最大級のダム>



 江戸時代、日本各地に生息していたコウノトリは、明治時代に猟銃の普及で乱獲され激減した。昭和初期には兵庫県の豊岡に四十〜五十羽となり、昭和三十年代からの農薬による被害と餌不足ために減少した。人工飼育が試みられたが、七一年に野生種最後の一羽が衰弱死した。コウノトリは卵を産んだのだが、どれも孵化しなかった。親鳥の体内を調べたところ、多量の水銀やPCBが検出された。
 コウノトリは田畑にいるドジョウなどをエサとしているので、当時の田畑がそれだけ強い農薬に汚染されていたのだ。日本のコウノトリが絶滅した後、ロシアに生息していた同種のコウノトリをわけてもらい、十年前に初めて卵からヒナが育ち、現在では六十数羽を確認することができた。
 コウノトリを野生にもどすには、餌となるドジョウやカエル等が生息できる田畑や河川、巣となる山林といった自然環境が必要である。それは、私たちの知る日本の情緒ある原風景である。
 コウノトリが大空に舞立つ日、それは人と自然が共に生きる豊かな社会が実現する日でもある。
<コウノトリ>

秋、空き地に大群落で黄色い花を咲かせる植物を目にする。かつて悪役植物としてやり玉に挙げられたセイタカアワダチソウである。最近はあまり、喧しくいわないのは、見慣れたせいなのだろうか。
 セイタカアワダチソウは、キク科の多年草、北アメリカ原産で日本に観賞用として持ち込まれ急激にひろがった帰化植物。多くの種を作り、地下茎でもふえ、根っこから育成を妨げる毒物を出して日本原産の植物を駆逐していくので、やがては日本全土を覆い尽くすのではと危惧されたが、自らの毒によって自滅し、最近では、繁殖の勢いは弱まっているらしい。
 こうした外来雑草は、他にもありますが、畑の肥料として持ち込まれる家畜の糞の中にも入っている。おそらく外国から輸入した家畜の飼料に混ざっている。
 大根や胡瓜などの肥料に使うと見たこともないような植物が生えて駆除に大変悩まされる。
 昨年頃から私の田舎にもセイタカアワダチソウが咲き始めている。種が飛んできたのか、最初数本であったのが、瞬く間に繁殖した。 この先、他の植物を追いやり、黄金色の大地に染めるの否か心配である。
<背高泡立ち草>

 悪名高きセイタカアワダチソウの汚名を少し拭っておこう。
 セイタカアワダチソウが嫌われるのは、その驚異的な繁殖力と花粉症の原因とされている点である。しかし、自家中毒によって、自らの毒で自滅し減少し、同じ所には生えません(ただし、河川敷などは増水によって毒が洗い流され何年でも生える)。
 そしてさらに、セイタカアワダチソウの存在を脅かすより強い植物が存在するのである。その植物とは秋の七草にも数えられるマメ科の多年草クズ。一夏で数十メートルも伸びるクズは、セイタカアワダチソウ群落から離れた場所から伸びてきて上から覆ってしまい光合成をできなくしてしまい減少している。
 それに、花粉症の原因という花粉は、実は虫に花粉を運んでもらう虫媒花であるため、風媒花の花粉に比べ量も少なく大きくて重いので花粉症の原因とは考えにくい(ブタ草は別種)。そして、養蜂家たちにとってはこの季節とても重宝されている。
 また、酸素の生産量はススキ群落の3倍で森林並みである。地球温暖化防止にも一役かっている。
<続・背高泡立草>

 かつて京都盆地中南部には、巨椋池(おぐらいけ)という広大な湿地帯があった。木津川、鴨川、桂川の三川が流入する遊水池で、古くは、十一世紀末に白河上皇の離宮として造営された鳥羽離宮が畔にあった。巨椋池は、面積七九四ha、周囲約十六キロ、水深九十センチの湖沼であった。挺水植物が繁茂し、魚類、鳥類、水生昆虫の楽園であったという。もし現存すれば、大都市のすぐ近くに存在する貴重な低層湿原であっただろう。ところが豊臣秀吉の伏見城築城により、河川との切り離し、明治以降の干拓田化、そして現代の急速な宅地化によって、現在その池は消滅してしまった。
 また、琵琶湖に次ぐ湖(水深が浅く“潟”に分類される)だった八郎潟は、一九五七年に始まる干拓工事の結果、大部分が農地に変貌した。
 長い間、湿地は森林と同様に、経済的に無価値な“未利用地”として、産業を発展させるために埋め立てられ消失の一途を辿ってきた。しかし、環境問題が取り沙汰されている現在、自然破壊となる干拓事業は、地域住民だけでなく、地球環境の悪化にもつながるのではないだろうか。
<巨椋池>

クロツラヘラサギ(トキ科)は、全世界に六百羽しかいない。絶滅危惧種に区分され、朝鮮半島の離島で繁殖することが分かっているだけで、その生態もほとんど知られていない。おもに干潟を採食地としており、干潟が急速に開発されている現状では絶滅の危険性がかなり高いと考えられる。おもな越冬地として、台湾南部、香港、ベトナムが知られている。中でも香港に飛来するクロツラヘラサギがほとんどである。
 香港は、一八四〇年、清王朝がイギリスのアヘン貿易に困惑し、たびたびアヘン輸入禁止令を出したが徹底せず、ついにイギリスとの開戦に至り(アヘン戦争)、中国は近代的軍備を誇るイギリス軍に圧倒され、四二年、南京条約で講和、以来イギリスに割譲され、一九九九年までイギリスの統治下にあった。当然、中国との国境付近は立ち入りが厳しく制限された。
 しかしその結果、貴重な自然が人の手を加えられることなく、ラムサール条約にも締結する湿地を残した。
 かつての帝国主義の諸外国列強による大陸支配の爪痕が、貴重な湿地を守るという皮肉な結果をもたらした。      
<クロツラヘラサギ>

 私たちが良く知っている古代四大文明はいずれも大河の近くで発生した。エジプト文明はナイル川、メソポタミア文明はチグリス・ユーフラテス川、インダス文明はインダス川、黄河文明は黄河といった具合に。
 インダス文明は前二千年期に滅亡しているがその原因は洪水説とアリーア人の侵入説とがあるが、ところが近年は地球環境問題の高まりを受けて、インダス川流域の自然環境破壊説が浮上した。これは、モヘンジョ=ダロやハラッパの家屋などの遺跡は全て本格的なレンガで構成されていた。この膨大な量のレンガを焼くため多くの森林が伐採された結果、保水力をうしない洪水や食糧難が起こり、滅亡したのではと考えられている。この説は仮説の域を出ないが、近年の環境問題の高まりから新たな切り口となった。
 また、エジプトは「ナイルの賜物」といわれる。これは、ナイル川の上流、エチオピア高原でおこる集中豪雨によって上流の養分を充分に含んだ土が流れ込み、肥料を使わず豊かな稔りをもたらすからである。
 しかし今、エジプトの大地は、上流を堰き止められたことにより痩せているという。 
<インダス文明>

 原子力発電には危険がともなう。当初、原子力発電は「人類の未来のエネルギー」と言われたが、地球上のウラン資源は貧弱でウラン鉱脈から掘り出されたウランには、そのままでは核反応しないウラン238と、中性子と反応してエネルギーを放出する(燃える)ウラン235を含み、その大部分はウラン238で、原子力発電に役立つ燃えるウランは、〇.七%と僅かである。
 一方、燃えないウランをプルトニウムに変換して燃やすのが高速増殖炉である。しかし、このプルトニウムもその資源量にも限りがある。しょせん核分裂エネルギーは、人類の未来のエネルギーには成り得なかった。すると、今度は、核融合に期待をよせた。
 核融合は地球上に無尽蔵にある水素を燃料にすると言われたが、実際は重水素や三重水素を利用する。しかし、三重水素は天然には存在しないし、放射能をもつので管理が容易でない。
 結局、原子力は二十世紀の軍事技術のあだ花であった。
 すでに欧米諸国は原子力からの撤退を始め、「未来のエネルギー」は膨大な放射性廃棄物の後始末を人類の未来に残している。
<未来のエネルギー?>


 新日本製鉄では、名古屋製鐵所と君津製鐵所(千葉県)の二カ所に廃プラスチックリサイクルシステムが完成し本格稼働している。
 これは、同社が独自に開発した「コークス炉化学原料化法」による使用済みの一般容器包装プラスチックをリサイクルするもので、処理能力は年四万トン。家庭で分別し、自治体で圧縮梱包した容器包装プラスチックを受け入れ、使用済みプラスチックを破砕、異物除去などした後、既存のコークス炉に石炭と一緒に入れられ、最高千二百℃の高温で、かつ無酸素の状態で約二十時間加熱、炭化水素油、コークス、コークスガスに熱分解する仕組み。
 投入された使用済みプラスチックは、炭化水素油・四十%、コークス・二十%、コークスガス・四十%の比率で回収される。コークスは高炉還元材に、コークス炉ガスは発電用燃料として利用、炭化水素油はプラスチック製品の原料にと百%が有効利用される。石炭もプラスチックも元素は水素と炭素で成分がよく似ており既存の設備で行えるのである。
 また、燃焼排気ガスや処理排水が全く発生しないクリーンなリサイクルシステムになっている。
<コークス炉化学原料化法> 

 IT(インフォメーション・テクノロジー)革命の申し子ともいえるパソコン、この普及は、ここ五年間は特に凄まじく、三カ月ごとに新機種が発売され、昨年上半期の出荷台数は過去最高の五百六十三万四千台が世に出回り今や、テレビをしのぐ勢いである。
 しかし、その裏側で、家庭やオフィスでお払い箱になったパソコンは廃棄処分となり、その数は、二〇〇一年度は十四万五千トンになる見込みで、普及にばかり熱を入れる経済産業省も今年四月施行のリサイクル法(資源有効利用促進法)の対象にパソコンを含めざるを得なくなった。
 昨年暮れ、デジタル放送が始まった。巷では、カラーテレビ以来の技術革新といわれ、ITの一翼を担うと大いに期待されている。恐らく数年で普及するであろう。
 テレビやパソコン、携帯電話と新機種に踊らされる前にユーザー(使う人)も、その機能は自分に必要なものかじっくりと考えて欲しい。
 新機種が続々と発売される裏側でゴミも続々と出ているのだから。
<ITでゴミも続々>

<畳表で美味しいスイカ>
 昔、野山に畳を敷いてある風景をよく見かけた。いらなくなった畳を畦や山際に置いておくと雑草が生えないのだそうだ。しかし、最近は、畳を縫う糸がナイロン製であるため、それだけが残り、草刈機に絡まってしまうためあまり見掛けなくなった。
 先日、あるお寺を訪ねると、畑に一杯のゴザが敷いてあった。不思議に思って訪ねると、スイカの下に敷く麦わらの代わりだと言われた。ご存じの通り、スイカと地面の間に麦わらを敷くのですが、近年は休耕田やなんやらで、あまりワラがない。そこで、目を付けたのが、畳表である。畳表は、イグサの茎を麻糸で縫ったもので、いらなくなった畳表を畳屋さんからもらって畑に敷くと手間いらずで、簡単な上、ビニールとちがい水はけが良い。
 畳屋さんもどうせゴミにだすのだから、大喜びで持ってきてくれらしい。
 畳表のリサイクルである。スイカはもとより、ナンキンや瓜などの野菜にも応用できる。
 二年前、本堂の古くなった畳を換えてもらっている時に思いついたという、このアイデアどうしてどうしてなかなか美味しいスイカが実る。 

<ラムサール条約>
ラムサール条約は、正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、一九七一年、カスピ海沿岸イランのラムサールで採決されたことから、通称「ラムサール条約」と呼ばれている。この条約は、湿地に生息・生育する動植物特に国境を超えて移動する水鳥を中心に、国際的に保護・保全し、それらの生息地である湿地の「賢明な利用」(ワイズユース)を促進することを主な目的とするものである。
 締約国は、国内に分布する重要な湿地を少なくとも一カ所以上指定・登録し、保全のための計画を作成・実施することが義務づけられている。七五年十二月に、条約が発効し九八年現在、締約国は百六カ国、登録湿地は九百三カ所を数える。
 日本は北海道の釧路湿原を登録湿地として八〇年に加盟後、以来国内登録湿地は、クッチャロ湖・ウトナイ湖・霧多布湿原・厚岸湖(北海道)、伊豆沼・内沼(宮城県)、谷津干潟(千葉県)、佐潟(新潟県)、片野鴨池(石川県)、琵琶湖(滋賀県)が登録されている。

<古代湖びわ湖>
世界には、何万もの湖沼がある。普通、湖の寿命は数千年から数万年と言われているが数十万年を経てもなお、その寿命を保っている湖がある。このような湖を「古代湖」と呼び、世界で古代湖として知られている湖は約十カ所と言われる。
 中でも一番古い湖は、シベリアのバイカル湖で、誕生してから三千万年も経っていると考えられている。
 そして、日本最大の湖「琵琶湖」もバイカル湖と共に、世界でも有数の古代湖でその誕生は四百万年前である。
これらの湖には、独自の進化を遂げた固有種が見られるが、琵琶湖には、ホンモロコ、ニゴロブナ、ゲンゴロウブナ、ビワマス、ビワコオオナマズ、アブラヒガイ、イサザ、セタシジミなどの固有種が五十種以上と多く棲息している。また、体長が十センチ程のアユもコアユと呼ばれ琵琶湖の固有種である。
 しかし、生活排水の垂れ流しやさらに近年では、外来魚の持ち込み、ジェットスキーなどによる水質汚染など人間が様々な影響を与え、その数も減っている。 数百万年も生き続ける湖を私たちが破壊して良い理由は何処にもない。


<水上バイク禁止>
 琵琶湖の湖岸を車で走ると、湖面にテントの骨組みのようなものを見かける。これは浄水場取水口で、琵琶湖から飲み水を引いている。
 夏、琵琶湖はマリンスポーツ、特に水上バイクを楽しむ若者で賑わう。 その水上バイクが湖の水質を汚染していると地域住民らが、県に対し「水上バイクの走行禁止」などを求めたが、県は、試験走行を実施し結果、発ガン性物質のベンゼン、皮膚やのどに刺激を与えるトルエンなどは国の環境基準値に満たなかったとした。
 しかし、取水口付近での水上バイクの排ガスが、飲料水の異臭や味に影響することも解った。
 県は、水上バイクによる水質汚染の影響はないが、地域住民の不安を解消するために、県内四カ所の浄水場取水口付近にブイを設置、水上バイクの走行を禁止している。
 私たちは知らず知らずのうちに琵琶湖に負担をかけていることを知らなければなりません。



<ブルーギル>
ブルーギルは名前は、そのえらぶたにある青黒色斑点に由来するもので、昭和三十五年頃に日本にやってきた。その後飼育された稚魚が滋賀県水産試験所にやってきた。
 当時、淡水真珠の養殖は滋賀県水産業を支える重要な柱で、そのため真珠の養殖に用いるイケチョウ貝の人工養殖に関する様々な研究が行われていた。
 イケチョウ貝の幼生は魚のエラやヒレに寄生する。その寄生に最も適した魚とされたのがブルーギルであった。この時、実験に使われた西の湖から、琵琶湖へ逃げ出し、湖全域に広がった。そして、イケチョウ貝の寄主は別の魚にとって変わられ、ブルーギルは忘れられた存在となっていった。
 そして時が流れ、現在、生息量は推定でブラックバスの二倍の約二千トンにのぼるという。
 ブルーギルは、ブラックバスとともに琵琶湖の固有種に悪影響を与え、現在、滋賀県では五千五百円の予算をつぎ込みブルーギル等の駆除対策が行われている。


<チラシでハガキ>
 私たちの生活において無くてはならないものの一つに紙がある。現在のような紙は、紀元前二百年の中国で発明され、長い間、その製法は秘密にされましたが、製法・基本工程は、二千年たった今日でも変わっていない。
 毎日、新聞に入っている色とりどりのチラシを使ってハガキを作ることが出来る。作り方は、新聞のチラシを色別に分け(別に分けなくてもよいが色々な色紙にしたい場合)、それを小さく手で破り、水と一緒にミキサーでドロドロに砕く。それを水槽に入れ、粉末の洗濯ノリを少し入れる。それを定形のハガキの大きさの紙スキの道具(網目の小さい物)で紙スキをする。その後アイロンをかけて乾いたらできあがり。
 また、牛乳パックのハガキ作りとちがうのは、牛乳パックの場合は、紙パックの印刷部分と裏の部分を剥がし、真ん中の和紙の部分だけを利用するので、とても良質のハガキが出来が、その分手間もかかるし、何よりも牛乳パックを集めなければならない。しかし、チラシのハガキは、簡単に出来るので、小学校や幼稚園でも取り入れて実演されている。


<蛍光灯vs白熱灯>
 電球には蛍光灯と白熱灯があります。蛍光灯は白熱灯にくらべ寿命が長く、消費電力も約三〇パーセント少なく経済的です。ただ、蛍光灯の点灯寿命は六千から八千五百時間ですが、一回のスイッチの入切(点滅)で約一時間短くなります。蛍光ランプの購入代金まで含めて考えると必ずしも経済的と言えない場合もでてきてしまいます。
 これに対し白熱灯は点滅によるランプの短寿命がありませんので、トイレ・階段などの入切の回数が多いところの照明には向いています。それぞれの特徴をいかして,上手に使い分けましょう。
 では、蛍光灯のスイッチをこまめに入切したほうがかえって電気代が高くなるのか。
 電灯は確かにつける時に点灯中よりも若干多く電流が流れます。しかし、〇.一秒以下と瞬間的なもので、これにより電気代があがるということはありません。こまめにスイッチの入切をしたほうが確かに電気代は安くなります。
 ただし、過度のスイッチの入り切りは蛍光灯の寿命を短くし買換えを早めます。


<アジアライオン>
 ライオンと言えばアフリカをイメージする人も多いでしょう。しかしインドにもいるのです。
 その名はアジアライオン(別名インドライオン)。インド西部のグジャラート州のギルの森におよそ三百頭が生きている。
 アショカ王が建てたとされるストゥパには見事なライオンの像が彫られている。アジアライオンは十八世紀まで西アジアからインドまで広く棲息していた。しかし、人口急増のため棲息地を奪われ、さらにヨーロッパのハンターによる狩猟で激減した。今世紀初めには総数二十頭にまで落ち込んだという。幸い、その後の手厚い保護により徐々に回復し始めている。
 ギルの森は面積千四百平方キロ。荒涼とした大地の中で、ここだけはクジャクをはじめとする鳥類やシカなど数多くの生きもが棲んでいる。ライオンがもっとも多くエサとするのは、アクシスジカでおよそ三十年前、森は自然保護区に指定され一切の野生動物の狩猟や樹木の伐採を禁じられた。当時四千五百頭だったアクシスシカも、現在三万五千頭にまで増加。獲物とする草食動物が増えるにつれ、ライオンも数を増やしている。   


<イケチョウ貝>
 琵琶湖の固有種の一つにイケチョウ貝がある。
 イケチョウガイは、琵琶湖水系固有の二枚貝、日本の淡水に棲む貝では最大級の大きさで、大きいものでは殻の長さが三〇aにもなる。
 「びわパール」と呼ばれる琵琶湖の淡水真珠は、このイケチョウ貝を母貝に養殖されている。
 イケチョウ貝は、一個(四年もの)で一日に十八g缶十数缶分の水を浄化する能力があるとされいる。
 このイケチョウ貝を使い道頓堀川をきれいにしさらに、水泳大会までやってしまおうという市民団体が大阪にある。
琵琶湖で養殖したイケチョウ貝を道頓堀川に沈めて、淡水真珠と川底のヘドロを浄化の一石二鳥をねらう、なんとも大阪らしい発想である。
 都会のど真ん中で、あの道頓堀川で$泳大会とは、信じがたいが、2004年8月8日、若者や観光客でにぎわう戎(えびす)橋や日本橋周辺で開催される。
        



<エアコン室外機の水>
 夏になるとここ数年渇水騒ぎで取水制限になることも度々、水は大切に使わなければなりません。
 冷房の室外機のパイプから流れ出る水は、結構なもので、一日に五から十bgの水が溜まります。とても澄んだ水で、これをバケツや洗面器で受けて草木や野菜にかけてあげます。ガーデニングやプランターがある家庭では是非、心がけてみて下さい。
 昔からお風呂の残り湯を洗濯の水に使うのは周知の通りですが、他にも残り湯をペットボトルに入れて、トイレの水に使ったり、タンクに入れてタンクの水の量を軽減することでも節水ができます。
 台所の流しの水や、シャワーの水、米のとぎ汁なども、直接流せばそれまでですが、庭木に散水してやれます。
こうしたことは、私たちのちょっとした心がけで出来ることです。決して面倒とは思わずにやってみましょう。


<無洗米(むせんまい)>
皆さんは無洗米をご存じですか?
 無洗米とは、洗わずに焚けるお米ですが、最近は、この無洗米が環境に優しい食品として注目されています。
 お米のとぎ汁は、ヘドロの原因とされています。お米をとぐ時に出る米ヌカの量は、年間四十万トン。一合のお米当たり百五十cのヌカが出ます。
 東京湾の汚染の原因の七十パlは家庭排水、その内でもとぎ汁が最大です。とぎ汁には、リンやチッソなどの栄養素が多く含まれています。
 これらの汚染物は通常の下水処理施設では処理しきれず、水道水の嫌な臭いや、赤潮、アオコなどの発生原因になってしまうのです。
 無洗米に抵抗がある人は、お米のとぎ汁を庭木や草花に上げましょう。そのまま流すとヘドロの原因となるとぎ汁も木々にとっては最高の栄養分です。
大切なのは、とぎ汁を流さないこと、この心がけが一隅を照らすのです。


<紙おむつ> 
「紙おむつ」か「布おむつ」。赤ちゃんを育てる段階で誰もが思案をするところでしょう。 製造業者にしてみれば、自社の製品が一番だというでしょう。
 某おむつ業者のピーアールに次のようなことが載っていました。
 紙おむつはゴミを増やすから環境にやさしくないという世間の認識に対して「社会のルールに従ってゴミ出しされた紙おむつが、市町村のゴミ焼却場で焼却処理されているかぎり、環境汚染につながることは一切ありません。安心して、自信をもって紙おむつをお使いください」とのこと。「社会のルールに従っているから環境汚染がない?」。果たしてそうでしょうか。
 大抵、ゴミ回収は週二回、尿を含んだ紙おむつは重く、さらに日が経つと悪臭を放ちます。
また、老人ホームや病院など大量におむつを使用する施設ではゴミの量も半端ではないのです。布おむつと紙おむつをうまく使ってゴミを減らすことが一番です。




<ETC>
 日本道路公団によると、高速道路の渋滞発生場所で最も多いのは料金所で全体の三十lと第一位となっている。
 当然、料金所周辺では大気汚染や騒音などが深刻で、早急な対策が必要となってくる。大規模な拡張工事をすることなく料金所渋滞を緩和、酵消するためには、既存の車線の処理台数を増やすことが効果的なのだ。そ
こで登場したのが、ETCである。
 ETCとは、"Electronic Toll Collection System"の略でノンストップ・料金収受システムで、これによりスムーズで快適な料金所通過が可能となる。
ETCは、現行方式の約二から四倍の処理能力があり、高速道路の利便性向上、一千億円以上の道路管理費の節減効果が期待できる。
 しかし、普及率が低いとその効果は期待できない。
 車載機は三万円程度で購入できる。ハイウェイカードやクレジットカードで支払っている人は是非、取り付けて環境改善に一役かってみませんか。  


<ブラックバス>
 琵琶湖を取り巻く様々な問題の一つに、外来魚の問題がある。ブラックバスやブルーギルが琵琶湖の生態系に大きな影響を及ぼしている。
かつて芦ノ湖に一九二五年アメリカから釣りの対象として芦ノ湖に持ち込まれた北米原産のブラックバス(ラージマウスバス=オオクチバス)は、この三十年ほどの間にすさまじい勢いで増え、今では全国の河川や湖沼に分布している。
 九〇年代に入ってからは、より冷たい水にも適応できるスモールマウスバス(コクチバス)が何者かの手によって日本に持ち込まれ、徐々に生息域を拡大している。
 ブラックバスは強い魚食性と繁殖力を持っており、漁業の営む地域では、小ブナ、ホンモロコ、ニゴロブナといった主要水産魚種が激減。また、稀少な琵琶湖の固有種が姿を消している。
 琵琶湖全域で捕獲された外来魚はショートノーズガーなど古代魚ガー類、キャビアで有名なチョウザメなども確認している。またアロワナの仲間ノーザンバラムンディが定置網にかかった。捕獲までの間、琵琶湖固有のモロコやタナゴ類を餌にしていたと考えられる。


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